香月作香櫨亭のカット香櫨亭通信

第2号

1990年 (平成2年)
10月19日

五右衛門風呂特集

五右衛門風呂のカット

とろとろ燃える大きな丸太
心を暖める赤い火
あーた、お湯加減などげんね。・・・
ちょうど、よかばい。
こん丸太ならひと晩じゅうもつるねえ。
燠ばとって、消炭作るとよか。
明日ん夕御飯どきにゃ、そん消炭の火で
サンマば焼きまっしょたい。
ありゃよか。こたえられん味じゃんね。

**** 五右衛門風呂に十徳あり ****

  • 一、薪で沸かした湯は肌にやさしい。
  • 二、体の芯まで暖まり、湯ざめしない。
  • 三、鉄分が体の滋養になる。
  • 四、湯の温度にムラがない。
  • 五、薪はタダ同然で、ほとんど無尽蔵。
  • 六、消炭が取れる。魚焼きに最高。
  • 七、何でも燃やせる。
  • 八、灰まで種々の役に立つ。(肥料・染料・洗剤ほか)
  • 九、中毒の不安も爆発の心配もない。
  • 十、風呂に入る人、焚いてあげる人
    ・・親子夫婦兄弟、恋人、友人知人、あかの他人。・・心の交流。

 わが香櫨亭の五右衛門風呂 愛称は・・・ヒマワリ風呂

風呂釜を囲んで積み上げた川石の頂上では、長めのを釜のあごに差し込みました。するとあの夏の花ヒマワリに似たかたちができました。

しかし、石が不揃いで、いびつな花冠になりました。

上からみるとひまわりのような五右衛門風呂

火炎のようにも見えます。

(四百年前の安土桃山時代、大盗人の石川五右衛門は大釜の中で釜ゆでの刑に処せられたそうで、以来、釜風呂のことを五右衛門風呂というようになったとか。)

使い方がよくなくて

誤解されてる・・五右衛門風呂

「背中が熱いですなあ。下からもブクブクあがってくるし・・」と言われるときの、この五右衛門風呂はたぶん、釜に直接火が当たっているんですな。土や石やで釜の回りをよく固めておけば、そんなことはないのです。

釜の底には火がたっぷりと当たらなくちゃなりませんが、他の部分は石や土を通じて暖めるのです。
 下からのブクブク熱水は、釜の内底に厚めの底板を敷けば防げます。

「その底板がプカリと浮き上がっとるのを足で踏み降ろすのが、案外むつかしいですよねえ。子供はやりそこなって、ひっくり返る。女性が股踏ん張る格好も、まあ、かわいそうなようでね・・」とかおっしゃるのにしても、その底板を底に沈めておく仕掛けがあるのをご存知ないか、知ってて利用なさらないのか、どちらかじゃないですかねえ。

とはいえ、五右衛門風呂をめぐるこんな話は、皆さんが、いうなればレトロ感覚でおっしゃってるふしもあるようで、これをもって五右衛門風呂の悪口と受け取るのは、野暮というものでしょうな。アハハ・・。

ふくろうのカット

五右衛門風呂・塾生募集

と、こう書き出せば、なにやら堅苦しいが、なあに、軽トラで山に今どき珍しい薪採りに、弁当持参で、みんなでワイワイ出掛けることから始めて・・・帰ってきたら薪割り、丸太細工、竹細工、山菜料理なんぞやってるうちに五右衛門風呂も沸き、カッポ酒もほどよい加減になって、楽しい会食のその後では・・・塾頭ならぬ香櫨亭亭主のヘタクソ紙芝居を見てくださったり、誰かの民話や意見を聞いたり・・・とまあ、こんな企画。

五右衛門風呂の作り方もアドバイスします。あなたのお庭にいかが。いっそ露天風呂になさったら。・・・

木立のカット

誰が香櫨亭の五右衛門風呂を造ったか・・・
世の中にはスゴイ人がいる・・・

天才・桜井資久君のこと

香櫨亭主人のわたしなら、いかに奮闘努力してもやれないことを、1955年生まれのこの男は、あっさりと、しかも手早く造りあげてくれましたよ。まるっきり未経験なのに。実に見事に。・・・

玄関脇の水車小屋も、コーヒーと軽食の店「香櫨亭」の内装工事も、彼の仕事です。もう器用なんてもんじゃないね。わが「市民水車大学・久留米伝習所」の軽量鉄骨建築も、これまた未経験の彼が、スイスイとやってくれたんです。(中古倉庫の解体移築)

わたしときたら、そばの谷から石を拾い上げたり、セメントと砂を練り合わせたり、ハンドメークの店に金物買いに走ったり、「お茶をどうぞ」とお盆抱えて作り笑いを浮かべたりの態でありました。

「ヒモ男」・・みずから付けたわたしの渾名です。桜井君と今は亡き小椎尾茂男さんたちが堂々たる?風呂小屋を間伐材で建ててくれたんですが、それまでの間のわが五右衛門風呂の囲いたるや、屋根も壁もビニールシート張りで、要所要所をヒモでしばり、雨風で倒れたり、雪でつぶれたりしたら、またヒモ・・・。
それで、そう自称したのであります。

香櫨亭の風呂場は、四メートル四方の広さがあります。湯舟(鉄釜)に身を沈めて、三段の棚に積み上げている薪、とくに丸太の、年輪が見える断面を眺めていると、自己満足ながら、豊かな気分が味わえるのです。山の林も目に浮かびます。

電力もガスも余れる世に棲みて 薪拾いぞ楽しかりける

入湯もいいが、釜の火口と向かい合っているのもいいものです。

  • あかあかと薪の燃ゆる色やよし人百万年の歴史耀う
  • 松焚けば松や匂える樟焚けば樟や匂える釜風呂の幸

このうえなく懐かしいもの・・木の火。

今年の櫨並木情報

第一号(紅葉状況のお知らせ)

櫨の枝のカット

左のイラストに着色して葉の色付き程度を表現(この香櫨亭通信の発行日での状況)してみようと考えておりますが、なにぶんにも絵筆使い素養がまったく無いわたくしなので、うまくお伝えできますかどうか。

なお、右のイラストは、地元在住の手描き染作家・香月美智江さんの作品の絵柄を真似描きさせていただきました。

さて、「ことしの櫨紅葉の具合は、どう思うか」とよくきかれますが、さっぱり見当がつきません。もう六十三年も櫨並木沿いに住んでいますが。

現状確認十月十八日、並木一・一キロを歩いて、一本一本、この県指定天然記念物の現状確認をやってみました。おりしもこの道を車で通りかかられた知人。西田達生さんが手伝ってくださいました。

確認できたことは、生存数一八九本。(一九六四年の指定時二三六本)。このうち、枯死が近いと思われるものや枝枯れが多いもの四本。葉の状態があやしいもの約十本。

これらのほかに、指定以後篤志家の手で捕植されたもの三本。立ってはいるが完全枯死のもの四本。・・・・以上の結果でした。

香櫨亭通信発行所 発行人:香月徳男

不定期刊(目標は月3回)

〒839−11 久留米市山本町豊田1582−2 1部50円(郵料は別)

TEL・FAX 0942−43−2143

香櫨亭へのルートは・・

  • (マイカーでのとき)国道210号津遊川バス停そば四叉路より南方の山麓へ約1キロ
  • (バス利用のとき)@西鉄バス20番系統で「津遊川」下車
      四叉路から南方山麓へ徒歩約15分

櫨(はぜ)並木沿いに山手方向へ登るとよい
この並木の南限が香櫨亭で水車がある

コーヒーのカット

香櫨亭では・・・

軽食(だご汁・ぜんざい・ほか)と喫茶(コーヒーは無農薬栽培のものを自家炭火焙煎)の営業をいたしておりますが、食事の場合はご予約を御願いいたします。
その際、ご希望があれば、五右衛門風呂の入湯サービスをいたします。

(近い将来には紙芝居も・・・乞うご期待)

香櫨亭敷地内では・・・

「市民水車大学・久留米伝習所」を週2回程度開講しております。
水車の製作実技をプロの水車大工さんから親しく指導を受ける仕組みです。

home