瀬戸坂(御井)

高良さんが、天から下りて来られち高良山に登って行こうでちせらしゃったら瀬戸坂で、高牟礼の神さんが立ちふたがって、「昔からこの山は俺のもんで、俺りゃずーっとここに住んどる高牟礼ち言うっちゃが、誰ことわっておまや登っとか。こりから一歩でん登らせん」ち恐ろしか剣幕で両手拡げち止めらっしゃった。高良さんな、びっくりして、「俺は天照大神からの命令で高良山に登って、こん筑紫の国ば治むでししよる、高良の神ぢゃち言わしゃった。「ふてーこつ言うが本なこて大神さんの命令なら、そん証拠ば見せろ」ち高牟礼の神さんな言い返さっしゃった。「よし良う見とけ」ち言うが早かか馬に一鞭くれて一足飛び頂上さん上がってしまわしゃった。
高牟礼の神さんなアッケにとられちもう何も言わんな高良山の上から下ん方ん今とこに家ば移って住わっしゃった

高良玉垂宮神秘書132


訳)

高良さんが、天から下りて来て、高良山に登ろうとされていたところ、
瀬戸坂で、高牟礼の神様がたちふさがって、
「昔からこの山は俺のもので、俺はずっとここに住んでいる高牟礼だが、お前はだれにことわって登るのか、ここから一歩も登らせない。」と恐ろしい剣幕で両手を拡げて止められた。

高良さんはビックリして「俺は天照大神からの命令で高良山に登って、この筑紫の国を治めようとしている。高良の神だ」とおっしゃった。
「大きなことを言うが、本当に大神様の命令なら、その証拠を見せろ」と高牟礼の神様は言い返された。「よし、よく見ておけ」と言うが早いか馬に一鞭いれて一足飛びに頂上に上がってしまわれた。

高牟礼の神様はアッケにとられて、もう何も言わずに高良山の上から下の方の今の所に家を移って住まわれた。

(*)現在、高牟礼の神様は、高樹神社として祀られています。(御手洗池の近く)

注)

「昔、一の鳥居を抜けた先の坂道「瀬戸坂」が急で本当に難儀をした」と聞きました。九州自動車道ができる時、ここを削ったので、今は昔ほどではありません。

高良山茶屋「望郷亭」
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